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第6章 1.05 対面
「シッマやめたれ。吃驚しとるやろ。」
トントンが呆れた顔をして言った。
しかし、コネシマはさらに身を乗り出して目をキラキラさせていた。
「え、えと、異能が身に付くかどうかは私には…その…。」
杏はアワアワと答える。
その様子に、杏の隣に座るオスマンが紅茶に口を付けながら口を開いた。
「グルッペンは異能手に入れたらしいで。」
その言葉にその場にいた全員がグルッペンに再び目を向ける。
それにグルッペンは“ふふん”とでも言うような顔で応えた。
「え、グルッペンの異能ってなんなん??」
シャオロンがそう言うとグルッペンはさらに笑みを深める。
「俺の異能は、お前達仲間の情報把握能力だ!お前らがどこで何をしているのかや、体調まで分かるゾ!!!」
すると、まだグルッペンの異能について知らなかった面々は、本気で嫌悪の詰まった表情した。
口々に“え、ほんま嫌なんやけど”“グルちゃんに全て知られるとかもう逆らえんやん”等と言う。
「いや!みんな待つんや!まだ本間と決まった訳やない!」
コネシマは余程認めたくないのかそう言うと腕を組んだ。
「ふむ。では、この場にいないエーミール達がここに入ってくるタイミングを当ててやろう。」
グルッペンは自信満々に言う。
「いや、ちゃうな。それだけやあかん。グルッペンなら異能なんてもんなくてもやってまう。」
コネシマは腕を組んだままうんうんと頷きながら言った。
その言葉に他の面々は“いや、流石にないやろ“と心の中で思った。
「お前、なんややけに突っかかるな…。お、丁度いい。どうやら、4人目の異能初発動はエーミールらしい。間も無く凄い勢いで扉が開いて“4人入ってくる“。」
グルッペンがいい終わって間も無く、会議室の扉が凄い勢いで開かれた。
「グググググルッペンさん!!なんか突然女の人が!!!!」
エーミールは車椅子に座りショッピに押されながら放った。
ショッピは全力で車椅子を押して来たのだろう、息が少しきれていた。
一緒にいる白衣を着て顔に“神”と書かれた布を付けている人物も、膝に手を当てて息を整えている。
その後ろから凛とした声が聞こえてきた。
「もうっ!どうして逃げるんですかエーミール先生!」
そう言うと、金色のウェーブがかった髪に鼈甲のような瞳をした女性は会議室へと足を踏み入れた。