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第6章 1.05 対面
エーミールはそれに笑顔で“大した事ないですよ”と答える。
それを聞いて、ショッピはジト目でエーミールを見ると、そのまま医務室へと連れて行った。
トントンはそれを見届けると、太宰と敦に視線を向けた。
「ご挨拶が遅くなり申し訳ございません。此処の書記長をしております、トントンと申します。早速で申し訳ございませんが、総統閣下がお待ちですので、どうぞ此方へ。」
そう言うと、トントンは要塞の中を進んでいく。
先程までの関西訛りと打って変わった言葉遣いに、敦は動揺しながらも“は、はい!”と返事をして着いていった。
他のメンバーもトントンの後を追う。
その様子を見て、コネシマはクスクスと笑いながら後に続く。
すると、トントンはコネシマとシャオロンを見てニコリと笑った。
「シッマとシャオロン、内ゲバでエミさんに危害加えかけたやろ。後で粛清やで。」
その言葉に指された二人はギクリとする。
「な、なんでトントン知っとんねん…!」
コネシマが震えながら尋ねると、トントンは“内緒や”と黒いオーラを出した。
その言葉にコネシマ、シャオロンは顔を青くするのであった。
暫くすると、一行は大きな扉の前へと到着する。
「此方でお待ちです。…どうぞ、中へ。」
トントンはそう言うと、ノックをして静かに扉を開く。
敦は咄嗟に背筋を伸ばして緊張した。
扉の奥には、全身漆黒に包まれ、其のせいで酷く目立つ金色の髪をした男が楕円形をした会議机の奥に座っていた。
会議机の周りには6名ほどの男がそれぞれ肘をついたり、足を組んだりして座っている。
「お客様をお連れ致しました。」
そう言うと、トントンは金髪の男性の右後ろに立った。
敦と太宰は“失礼します”と言って中へ足を進める。
その後ろから、コネシマ、シャオロン、ひとらんらんが中に入ると、それぞれ自分の席へと着いた。
「どうぞ、その席へお座り下さい。」
金髪の男はハスキーな声で告げた。
敦と太宰は、その男と会議机を挟んで向かい合うような形で椅子に座る。
すると、緑色の軍服に身を包んで変わった帽子を被った男が立ち上がり、暫くするとお茶とケーキを敦達に出した。
それに敦は会釈をする。
「ようこそ、武装探偵社の方々。私は此処の総統をしているグルッペン・フューラーです。コネシマ達がお世話になったようで、感謝致します。」