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第6章 1.05 対面
その頃敦達は、要塞の入口へと足を踏み入れていた。
「わあ…近くで見ると更に凄いですね…。」
敦は要塞を見上げながら、感嘆の声を上げた。
「せやろ!まあ、グルッペンの趣味やけどな。これ。」
シャオロンは敦の呟きに答え、少し嬉しそうにした。
それに対してコネシマは“なんでお前が威張んねん”と嗤う。
「アァん?別にええやろ!俺やって此処作るのに参加しとんやから!」
シャオロンは額に青筋を立てて反論した。
「え!?此処って、皆さんが作ったんですか…!?」
敦はその言葉にさらに驚愕した。
「いや、まあ俺らも作ってますけど、基本は国民の皆さんが善意で。」
ショッピはエーミールを支え直しながら答えた。
「グルッペンは戦争大好きおじさんやけど、国政とかはやっぱ上手いしな。国民の支持も高いねん。」
コネシマのその言葉に敦は顔を青くした。
「せ、戦争大好きおじさん…?」
敦はチラリと太宰に視線を向ける。
それに太宰はにこーっと笑った。
さらに敦はビクリとする。
「怖い人ではないですよ。まあ敢えて言えば、ちょっとお薬切れちゃうと病気なだけです。」
エーミールは敦の様子を見て、笑いながら言った。
「シャオロンみたいにな!」
そしてコネシマはまた要らぬ事を言う。
「コネシマ!お前さっきから何やねん!やるんか!?」
今度こそ頭に来たのだろう。シャオロンはコネシマに向かってシャベルを向けた。
「ええで。相手したるわ!」
それに対してコネシマは余裕綽々に返す。
それを合図にコネシマとシャオロンは戦闘を始めた。
その様子に敦はオロオロとし出す。
「まーた内ゲバが始まった…。トントンさんに粛清されてどうぞ。」
ショッピは呆れた顔をして発したが、戦闘に夢中の2人には届いていないようだった。
すると、何処から持ってきたのか、コネシマはナイフを取り出してシャオロンに向けて投げる。
それをシャオロンは避ける。
ーーが、その後ろにはショッピに支えられるエーミールがいた。
「…っ!こんっのクソ先輩らっ…!!!」
ショッピはそれに気づくがエーミールを支えている為咄嗟の反応が遅れた。
ナイフがエーミールに向けて飛んでくる。
敦もナイフを弾こうと動くが、既のところで届かなかった。
エーミールもそれに気付き、痛みへと備えた。