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第5章 1.04 武装探偵社
「笑止。そ奴らは横浜の脅威となるやも知れん奴らです。幾ら太宰さんと言えど軽率過ぎる。」
芥川は、敦と太宰以外の面々を一瞥すると、太宰に再び視線を戻した。
「今は未だ調査中だけど、横浜にどうこうしようとする人達では無いよ。恐らく、君達が手を出さない限りは彼等にそんな気は無い。だから、手を引き給え。」
太宰は真剣な顔で芥川を見る。
「それは此方で情報を聞き出すまで。しかし探偵社との衝突は此方も不本意故、そ奴らを置いて早々に立ち去って頂きたい。」
芥川の言葉に、敦は噛み付いた。
「勝手なことを言うな!!この人達は僕達の依頼人だ!その人達に手を出すというのなら僕は許さない…!」
そう言うと、敦は芥川を睨みつける。
「ならば仕方ない…!力ずくで奪う迄だ…!!!」
芥川は異能力を発動し、敦に向かって飛び掛った。
敦も脚と腕を虎化し、それに迎え撃う。
しかし衝突の直前、太宰が双方の間に入り異能力を無効化した。
「だから、戦闘は辞め給えと言っているのに。…芥川くん、これはお願いでは無く忠告だ。今すぐ引き給え。」
太宰のその言葉に芥川は一歩後ろへ下がった。
「…今回は下がります。ですがそ奴らは必ず僕が壊滅させる。手出し無用だぞ、人虎。」
芥川はそう言うと踵を返して歩いていく。
「…そうだ芥川くん。あの憎たらしい帽子置き場に、伝言を頼めるかい?」
太宰は芥川の背中に声をかける。
「………中原幹部ですか?」
顔だけ太宰の方に向け、芥川は指されたであろう人物の名を口にした。
「“彼女が見つかるかも知れない”…そう伝えてくれ。」
太宰はそう言うと、“よろしくね〜”と言ってヘラヘラと笑った。
その様子を見て芥川は再び踵を返して歩いていく。
暫くして芥川の姿が見えなくなると、太宰、敦以外の面々は息をついた。
「な、なんやアイツ…。てか、あの黒いの何やってん…。」
シャオロンはシャベルを下ろすと、疲れた様に発した。
「あれが、異能力っちゅう奴らしいわ。…ショッピくん、エミさんの状態は?」
コネシマはそう言うと、煙草を咥えて火をつける。
「思ったより傷が深いですが、神経は大丈夫そうです。…まあ、ペ神には怒られるでしょうけど。」
ショッピは答えながら、エーミールに肩を貸して立たせる。
「す、すみません…。」
エーミールは申し訳なさそうに謝った。