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第5章 1.04 武装探偵社
「エミさんは謝らんでええで。悪いのは庇いきれんかったシャオロンや。」
そう言うと、コネシマはニヤリと嗤う。
「アァん?なんやとコネシマ。やるんか?」
シャオロンはその言葉に青筋を立てた。
「おぉ、ええで。つーかお前、なんで街歩くのにシャベルなんて持ち歩いとんねん。そんなんやから目ェ付けられたんとちゃうか?」
コネシマは尚もシャオロンを煽る。
その様子にショッピは溜息をつくと話題を変えた。
「先輩ら、いい加減にせえへんとトントンさんにチクリますよ。それよか、早く拠点に戻りましょう。応急処置をしたとはいえ、エミさん大怪我しとるんですから。」
その一言に、コネシマとシャオロンは“せやな”と言って言い合いをやめた。
「ーーもしもしグルッペン、聞こえる?」
シャオロンはインカムを操作すると通信の相手に声を掛ける。
«ーーーむ、なんだシャオロン。今良い処なのだが?»
相手は少し不機嫌そうな声で答えた。
「さっき、ポートマフィアに襲われた。エミさんが足を負傷してもうてん。ほんで、コネシマ達と合流したんやけど……あれ、そういや、コネシマ達と一緒におる人ら、誰やねん。」
説明をしながら、太宰達に気付いたシャオロンは尋ねる。
それに他の面々は“今更か”と呆れた顔をした。
「あー、グルッペン?俺とショッピくんも、聞き込みの途中でポートマフィアに襲われてん。ほんで、武装探偵社っちゅう人達に助けられた。此処の事について教えてくれたり、俺らがここに飛ばされた原因について調べたりするのを協力してくれるらしいから、そっちに今から連れて行く。ええか?」
コネシマはグルッペンに通信を繋げると、シャオロンに代わり説明をする。
それを聞いてシャオロンも理解したのか、太宰と敦に“どうも”と挨拶をした。
«ふむ。良いだろう。お前達を助けて貰ったお礼もせねばならんしな。…それで、エミさんは大丈夫なのか?»
グルッペンは直ぐに答えるとエーミールの容態を心配した。
それに対してコネシマは、先程ショッピから聞いた事をそのまま伝える。
«そうか、分かった。しんぺい神にはこちらから伝えておく。気をつけて帰ってこい。»
グルッペンがそう言うと、“んじゃ、そういう事やから”とコネシマは通信を切った。
それに続いてシャオロンも通信を切る。
そして六人は要塞への道を急いだ。