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第5章 1.04 武装探偵社
「やあ、中也。こんな所で油売ってるなんて、ポートマフィアは暇なんだね。」
一番会いたくない人物の声を聞き、中原中也は顔を顰める。
「アァン?それを言うなら手前もだろうがクソ太宰!」
そう言ってたった今目の前で向き合っていた人物を無視して、太宰に殴りかかった。
しかし太宰はヒラリと躱し、恐らく中原に襲われていたであろう人物の前に立つ。
敦もそれに続き、後ろの2人へ声を掛ける。
「だ、大丈夫ですか…!?」
太宰と敦が敵でないと思ったのか、2人はそっと息を吐いた。
その間にも太宰と中原の会話は続く。
「ポートマフィアも落ちたものだね。一般人に手を出すなんて。」
太宰は相変わらず中原を揶揄う。
すると、中原は青筋を立てながらも殴り掛かるのを堪えた。
「はっ!好きに言ってろ!こっちは手前に構ってる暇なんてねんだよ!さっさと失せろ!」
それを聞いて太宰は更に続ける。
「其れは其れは邪魔をしたねえ。所で、そのポートマフィアに一つ聞きたいことがあるんだけど。」
中原“アァ?”と答える。
「先程、横浜の海面に突如として現れた要塞について聞きたいんだけれど、何か知っているかい??」
中原は少しだけ眉を動かし答える。
「何も知らねえし知ってても誰が手前なんかに教えるかよ。要件はそれだけか?ならさっさと失せやがれ。俺は後ろの2人に用があんだよ。」
その答えに太宰は満足そうにする。
「ふむ。そうかい。なるほど分かったよ。…あ、そうだ中也。教えてくれたお礼にこの2人は貰っていってあげるよ。感謝し給え。じゃ、そう云うことで。行こうか敦くんとそこの2人。」
その言葉に太宰以外の4人が“は?”と固まる。
「おい、太宰待ちやがれ…!手前、誰の了解を得て人の仕事の邪魔してんだ…?」
中原は我慢の限界らしく異能力を発動した。
その殺気に、襲われていたであろう2人と敦はゾクリとする。
しかし太宰は何ともないように話す。
「やだなあ。邪魔なんてしてないよ。まあ、嫌がらせはしているけれど。」
その一言で中原の周りの地面が抉れる。
「こんな所で暴れていいのかい??あまり目立つことをすると森さんに怒られると思うよ。」
そう云うと、中原“はチッ”と舌打ちをする。
「だから手前には会いたくねぇんだ…!クソ!次はねえからな!!!」
そう云うと中原は路地の奥へと消えた。