• テキストサイズ

【文スト】ボタンを押したら飛んじゃった【wrwrd】

第5章 1.04 武装探偵社


その頃武装探偵社では、突如現れた要塞についての会議が行われていた。

「あの要塞はなんの前触れもなく現れた。何者かの異能力なのかはまだ分からんが、今のところ何らかの被害の報告などは無い。しかし今後何かあるかは分からんからな。捜査をする。念の為、ポートマフィアが関わっていないかの情報収集をしようと思う。太宰と敦、俺と賢治とで聞き込みだ。谷崎は要塞付近への潜入を頼む。分かったか。」

国木田が淡々と指示を出しそれぞれが自分の仕事に取り掛かる。

「太宰さん。聞き込み、行きましょうか。」

敦は太宰に声をかけると太宰は面倒くさそうな顔をした。

「えーー。敦くん1人で行き給えよ。僕は新しい自殺方法を考えるので忙しいんだ。」

敦はそれを聞いてガクリと頭を落とす。

「太宰、聞き込みに行くといいよ。きっと面白い事がある。」

すると、おやつを食べていた乱歩は太宰に声をかけた。

「…乱歩さんが言うならしょうがない…。行こうか敦くん。」

「え、あ、待ってください!」

太宰は乱歩の言葉を聞くとそのまま立ち上がり探偵社のドアを開け、聞き込みへと行った。




しばらく横浜の街を歩いていると、ふと太宰が立ち止まる。
それを敦は“どうしたんですか?”と尋ねた。

「いやね、聞き込みなんてしなくても、直接本人に聞けばいいんじゃないかと思ってね。」

太宰はなんの悪びれもなくそんなことを言う。

「え、いや、でもどんな人かなんて…。」

と敦が言うと、“違うよ”と太宰は言う。

「要塞の人物なんて検討も付かないよ。でも、聞くならもっと身近にいるじゃないか。」

その言葉で敦は嫌な予感がした。

「太宰さん、まさかとは思うんですけど…。ポートマフィアに聞くつもりですか…?」

それを聞いて太宰は嫌そうな顔をする。

「本当は死ぬほど嫌なんだけどね。丁度そこに小さい帽子置き場が居るのだよ。しかも、オマケもつけて、ね。」

そう言って太宰は裏路地へと足を進める。



その奥には太宰の言う通り、件のポートマフィア幹部である中原中也と、そこに向かい合うように赤と黒のストライプ柄の服を着た男と、ヘルメットを被り、銃を構える男がいた。
/ 40ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp