• テキストサイズ

【文スト】ボタンを押したら飛んじゃった【wrwrd】

第4章 1.03 異能力


「はい…。その…興味本位で作ったんですけど…。まさか完成してるとは…。ほんとにすみません…!!!」

そう言って私は頭を下げると、グルッペンさんは困ったように顎に手を添えた。

「ふむ…。君が作った…と言うのであれば、戻るためのボタン…は無いのか?」

それに私は首を振る。

「なんせ、思いつきのまま作ったので…。作り方も覚えてなくて…。」

そう言って俯くと、グルッペンさんは“なるほどな”と言って腕を組んだ。
しばらく沈黙が続く。


「杏ちゃんは、異能力って知っとる?」

沈黙に耐えかねたのか、オスマンさんが口を開いた。

「え、あ、はい。一応は、知ってます。」

私は素直に答える。

「せやったら、ちょっと教えて欲しいねん。僕らなんも分からんから、ヨコハマについてとか、異能力についてとか、それから…ポートマフィアについて、とか?」

オスマンさんは、少し探るような目をして私に聞いてきた。

「そ、それは勿論…!元の場所に戻すことが出来ないので、可能な限りご協力致します…!!」

私がブンブンと首を縦に振るとオスマンさんは少し驚いた様な顔をした。

「あら、意外と素直に教えてくれるんやね…。」

「お任せ下さい…!…ポートマフィアについては、もう、そのままです。ざっくりとですが、マフィアって言うのが1番近いからそう呼ばれています。組織自体とても大きいので、勢力も大きいですが、それだけじゃなくて異能力者が多くいらっしゃいます…。なので、あまり手は出されない方がいいかと…。」

私がそう言うとゾムさんが嬉々とした目を向けてきた。

「なあなあ!その異能力者って、強いん!!?」

それを見て、トントンさんが頭を抱える。

「つ、強いかどうかは能力によるとは思いますが…普通の人間が適うとは…思いません…。」

それを聞いて、ゾムさんはさらに嬉しそうな顔をする。

「ええなぁ…!戦ってみたい…!!!」

私はゾムさんの言葉にゾッとする。

「は、話聞いてました…!?」

「杏さん、コイツ戦闘バカやから無駄やで…。」

トントンさんが頭を抱えながら話す。

…うん。この人絶対苦労人だろうな…。
/ 40ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp