第4章 初仕事
しどろもどろになりながらもお礼を言おうとパニックになっている私に対してその人はクスっと笑うと
私の頬に手を当てて
「気にしてないから大丈夫だよ、怪我はないかい?
見たことない顔だね、よく見せて」
と言いながら頬にある手を滑らせて下あごをすくわれてゆっくりと上を向かされた。
どうやら私がぶつかってしまったのは、
物凄く美形のお兄さんだったみたいだ
白髪に綺麗な装飾の服、青空のような瞳
思わず見惚れてると
「ナイチンゲールの言っていた傍観者の子かな?
私をそんなに見つめても何も出ないよ?」
「す、すみません」
「あぁ、下を向いてはいけないよ
もっと可愛い顔を見せておくれ」
こちらから見つめておいてなんだが美形のお兄さんと目が合わせずらい
美形は直視できないと友人が前に言っていた気がしたが全く持ってその通りだと思う
視線だけ下に下がりつつ、いっぱいいっぱいな私を見て
お兄さんはふっと笑うと
「ごめんね、いじめすぎてしまったかな
写真におさめたいくらい可愛い顔してる君が愛らしくてね」
そういいつつ、私の顎に添えていた手をそっと離しそのまま私の腰を抱いて先程の部屋に入ろうとする
さっきの恐怖が脳裏を過り足がすくんでいる私見てお兄さんが
「大丈夫、私がついているから安心しなさい
怖かったらしがみついててもいいからね」
と優しく言ってくれたのでお兄さんの服をキュッと掴みながら一緒に部屋に入っていった