第4章 初仕事
「着替えもあるようだから俺は部屋の外で待ってるね
終わったら声かけて、食堂まで案内するから」
「あ、ちょっと待ってください」
「ん?どうかしたかい?」
改めてお礼を言いたくて部屋を出ていこうとしているイライさんを引き留めた。
「イライさん、昨日はありがとうございました。
今日から改めてよろしくお願いします」
イライさんは少しだけ微笑むと
「うん、よろしくね
あ、それと寝ぐせ
可愛いけど直した方がいいよ」
私の頭をポンポンと撫でて部屋を出て行った
寝ぐせ気づかなかった
恥ずかしい
気を取り直して
着替え身だしなみを出来る限り整えてから廊下に出た。
扉のすぐ横の壁にイライさんが寄りかかっていた
「イライさんお待たせしました!」
「寝ぐせもきちんと直したんだね、その服よく似合ってるよ。さぁついておいで案内するから」
イライさんと廊下を突き当りまで進むと
大きな扉の向こう側に立派な厨房があった。
「ここが厨房
右側が食堂になっているよ
まだ時間は早いから誰も来ていないけど
8時くらいには集まるんじゃないかな」
「わかりました!案内してくれてありがとうございます」
厨房は使いやすそうだったし
8時まであと2時間もあるからさっそく朝ごはんを作ることにした。
イライさんに手伝おうかと聞かれたけど
ずっとお世話になっているから丁重に断って
部屋に戻ってもらった。
「朝ごはん楽しみにしている」と戻り際にイライさん言われたから頑張って作らないと
冷蔵庫を開けると庫内いっぱいに食材があったので
買い物に行く必要はないみたい
時間に余裕があるし
久しぶりにパンでもつくろうと腕まくりをして作り始めた