第6章 俺様暴君にご用心!?
掌から伝わる斗真の体温。
確かに、冷たい。
身体中冷えてるのに、あんなにたくさん血、失くして。
たぶんあたしが思うよりも全然、辛いはず。
「……目、閉じて」
「……ああ」
いつも、ふたりがしてくれるように。
唇を、舐めて、啄むように、甘噛み、して。
唇が開いたら。
舌を、絡ませる。
いつもなら、キスだけであたし、余裕ないくらいぐちゃぐちゃに溶かされるのに。
なんで斗真、こんな余裕なの?
あたしのほうが余裕ないのは、なんで?
「……」
唇を手の甲で拭って。
斗真の胸の先端へと、舌を這わす。
もう片方は、指先で軽く撫でるように、触れた。
時々吸ったり、転がしたり。
いつもふたりがしてくれるように、して。
そのままチラリと、斗真を盗み見、れば。
「……っ」
紅潮させた頬と、荒い息遣い。
瞳がかち合えば、気まずそうに彼は視線を背けた。
「……」
そのまま、唇と舌を下の方へと這わせ。
ベルトに手を、かけて。
一瞬動きを、停止。
……停止。
思考回路も、停止。
だって。
だって。
斗真の、おっきくて、硬い。
熱い。
あたしに、感じてくれてる、の?
『あたしが』、気持ちよくさせてるの?
「教えたろ?」
「……っ」
違う。
躊躇してるわけじゃなくて。
違うの。
「……斗真……っ」
「いい顔、するよなほんと」
「ん……っ」
また、さっきと同じ、キス。
頭の芯から溶けちゃうような。
口付けをしながらベルトへと、手をかければ。
それを制するように斗真の掌が重なった。
「?」
「それ、今度して」
「ぇ」
あ、やっぱりあたし、下手だった?
駄目だった?
一気に血の気を引かせたあたしを、引き寄せて。
ストン、て、足の上へとあたしを乗せる斗真。
だけどなんとなく、体重をかけるのも悪い気がして、膝立ちのまま跨がる形になった。
「こっちがいい」