第6章 俺様暴君にご用心!?
「こんくらい、なんともねーよ。そのうち止まんだろ」
「斗真っ、だってここ、まわり海だよ??その足で泳げるの?ずっとここにはいられないんだよ?」
わかってる。
斗真はあたしを助けてくれた。
まず言わなきゃならないのは、こんな言葉じゃないのに。
「だから、心配ねーって」
「でも……っ」
「お前うるさい、少し黙ってろ」
「ん……っ」
引き寄せられるままに、乱雑に重なった唇。
同じようにすごく乱暴に、絡まる舌と舌。
だけど。
その行為はこんなにも強引なのに。
与えられたキスはすごく甘美で、優しくて。
温かくて。
極上の、キス。
「來、俺が心配ないって言ったら絶対心配いらねーんだよ。わかった?」
「でも斗真、あたしのせいで……っ」
「これは、俺のミス。別にお前のせいじゃない」
「斗真……」
駄目。
辛いのはあたしじゃない。
痛いのは、斗真だもん。
絶対泣いちゃ駄目だ。
「………」
「斗真?」
ぎゅ、って。
後ろから抱きしめる斗真の腕に力が、入って。
見上げる形で斜め上へと視線を、送る。
「ならお前があっためて」
「え」
「気、紛らわして」
「………」
これ。
おしり、あたってるの……。
「意味わかるよな?」
「……っ」
後ろから、耳を舐められ耳たぶを甘噛みされ。
右手はすでに、胸まで降りてきてる。
「……っ、足、痛いんでしょ…っ!?」
「だから、お前がして」
「は?」
「いつもしてるよーに、お前が気持ちよくさせてくれんなら、痛いの紛れっかも」
「い、痛くないって……っ!!」
「言ってねーよ、普通に痛いし」
……ってない、確かに『痛くない』、とは言ってないけど。
けど……っ
「体冷えてる、寒い?」
「っ、寒い、よ!!」
ぐるん、て。
方向転換、すれば。
目の前には、斗真。
の、肌。
「いつも見慣れてんじゃん、今さらそんな顔するの?わざと?」
「-……な、わけ…っ」
「知ってる、『俺』が、わざとだよ」
「……っ」