第5章 『斗真』と『透』
まじで。
ほんとに。
冗談抜きで。
_____勘弁、して下さい。
『ごめんねライちゃん、レポートあるから出てくるね。ご飯いらないや』
知らずにいなくなってた透からのラインに加え。
『先に寝てろ』
先ほど送られてきたラインは送り主なんか見なくてもわかるっつーの。
なんなの。
なんなの。
なんなのっ!?
ここに来ていきなりの放置プレー!?
誰かこの意味を説明してよ。
あたし、なんかした?
なんか怒ってんの?
あーもう!!
知らないっ!!
いいもん、寝るわよ。
先に寝てやるっつーの。
知らない。
ほんとにもう、しらないんだから!!
いきおいよくリビングのドアを開閉し、寝室のドアも同じく乱暴に開ければ。
何故だかすごく、広く感じる空間。
こんなに、広かったっけ?
いつもは、3人で、寝てたし。
ひとりで寝るの、初めてだ。
思えばアパートでも、弟たちと部屋一緒だったし。
二間しかなかったんだもん。
ご飯たべるところ。
寝るところ。
別に文句があったわけじゃ、ないんだけどさ。
やっぱり年頃な、わけで。
ひとりで寝たいな、とは思ってたけど。
いざこの広い空間にひとりだと、逆にさみしい、かも。
ブンブンとひとりで首を振りながら。
バサッと布団を頭まで被った。
のが、間違いだったんだ、きっと。
彼等の匂いが、ダイレクトに嗅覚を刺激する。
「………っ」
ヤバい。
また、さっきの熱が、再燃しちゃう。
あたし、いつからこんなに欲求不満になったんだっけ。
いつからこんなに、『淫乱』に、なったんだっけ。
淫乱、いや、違うし。
体が勝手に熱くなるだけだし!
「ふーっ………」