第5章 『斗真』と『透』
『乗れよ』
そう、言われるままに車に乗り込めば。
ガクン、といきなり、シートが倒れたのだ。
「は?」
シートベルトもしてないし。
一瞬のことに頭がついていかない。
「煽ったの、お前だから」
「は?煽ったっていつ……っ、ひぁ、冷た……っ」
首筋に触れた斗真の唇が驚くくらいに冷たくて。
ビクン、て、体が反応する。
「な、なに……っ」
視線だけで向けた運転席。
保冷保温のドリンクケースに入ってたのは、氷いっぱいの冷えたコーヒー。
再度真上にマウントポジション陣取っている斗真へと視線を向ければ。
舌からわざとらしく小さな氷をのぞかせて、わざとらしく瞳を細める斗真と目が合った。
「外、あっちぃからさ。冷やしてやるよ」
「……っ!!、つめた……っ」
そのまま舌は下へ下へと下がっていき。
同時に右手は、制服をどんどんたくしあげていく。
「………ッ!!」
めた……っ。
ピン、と主張し始めたピンクの小さな蕾のほんと、先端に。
少しだけ感じた冷たさ。
ぎゅ、と思わず目を閉じた。
「………?」
だけど。
それ以来刺激は与えられずに。
そ、と、両目を開けば。
「期待した?」
満足そうに、自信たっぷり身につけた意地悪な笑顔。
「………っ」
あわてて、制服を直して体を起こそうと、すると。
今度は肩を押されて再度シートに沈む体。
「起きたら外から丸見えだけど、いい?」
「なに……っ」
「見せたい?裏道とはいっても何人かは通るんじゃねぇ?」
「…………っ」
大人しくそのまま、体をシートへと預けた。
もともと、拒否れば拒否るほどにやめてなどくれないのだ。
まして全力で拒んだところで、力では敵うはずもない。
せめて声は漏れないように、と。
手の甲を唇へ押し付けた。
ふ、って。
笑う気配と同時に。
制服のボタンが、外されていく。
「ふぅ……っん、んぅ……っ」
お腹から、どんどん上へ上へと、這い上がっていくのは、ヒンヤリと冷たい、ざらざらしたもの。
それは焦らすように、胸の突起のまわりを舐め続けたのだ。