第3章 体の異変
なん、だろ。
熱い。
何……これ。
息、苦し………。
「え………」
体の異変と共に浮上してきた意識。
と、同時に感じたのは。
違和感。
下着が、濡れてる。
咄嗟に、お漏らし……っ、とか思ったりもしたけど。
違う。
これ。
ビックリして勢いよく体を起こした瞬間感じたのは。
服に擦れただけで感じるものすごい刺激。
「なんで……っ?」
何、これ。
疼く。
息を吸うだけでもビリビリと肌に伝わってくる刺激。
耐えきれずに、胸を隠すように自分で自分の体を強く抱き締めた。
だけど。
こんなんじゃ駄目。
ビリビリした刺激は回避出来たけど、疼きは止まらない。
熱い。
「あつい、よぉ………っ」
「來ー、起きた………」
ガチャリ、と。
ドアが開けて入ってきた『彼』に。
ビクン、て。
大袈裟に体が反応する。
彼の声に、体が喜ぶ。
だけど。
「駄目!!入ってこないで!!」
少しだけ残る理性が、彼等から自分を守るために働いた。
勢いよく頭まで布団をかぶって拒んだところでもちろんそんなの、なんの抵抗にもならないんだけど。
「なんで?」
「………っ」
「お前めっちゃいい匂いするのに」
「や、やだ……っ」
「このままのが苦しいんじゃねぇの、お前」
布団はあっけなく剥がされて。
布団のかわりにたぶん斗真、が、あたしに覆い被さるように馬乗りになっている。
「透」
あたしを見下ろしながら、そのよく通るきれいなバリトンは開けっ放しのドアから片割れを呼んだ。
「やだ、お願い……っ、怖い……」
「楽にしてやるだけだって」