第3章 体の異変
「ん………」
頭、重……。
ついでに何、この半端ない怠さ。
「起きた?」
「………」
上体起こしたまま、声のする方に顔ごと向ければ。
え、と。
どっちだろう。
「体、平気?」
穏やかな口調。
ってことは。
「透?」
「はずれ」
って言われても、『それ』も当たってるのかどうか判断する材料がないんだけど。
「薬」
「あ、うん」
いつものように、口の中へと錠剤が押し込まれ、サイドテーブルに置いてあるペットボトルに手を伸ばす。
前に。
あっけなくボトルは奪われて。
口うつしで冷たい水が口の中へと流れ込んできた。
「飲んだ?」
「うん」
「も少し、寝てれば」
くしゃりと撫でられた前髪、と、同じく綻んだ彼の表情。
「……でも」
「隣のことなら、心配ないから」
「………うん」
「おやすみ」
促されるままに横になった体に合わせて。
額に軽いキスを落とすと、彼はすぐに部屋から出ていった。
「…………」
なにしに、来たんだろう。
疑問は払拭されずに。
だけどそれよりもだるい体を休めたくて、なんにも考えずにすぅ、っと、目を閉じた。