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愛玩彼女

第3章 体の異変


「ライ、取って欲しかったらわかるよね?大人しくできる?」
「………っ」


こんな時の透は。
絶対怒らせちゃ駄目なやつ。


ゆっくりとコクン、て頷けば。
中で響いていた振動がピタリと、止まった。




「歩けるデショ?」

うぅ………っ。
涙を流さないように必死に唇噛んで、我慢。
泣いて怯えて震えて、たら、またもっと恥ずかしいこと、されちゃうし。
今、ここで止めるわけにもいかない。
お金、必要なんだもん。

「來」

ビクっと、肩を震わせれば。

「ちゃんと前見て歩け。できるよな」
「…………でき、る」


歩く度に入ってる、それが、コツコツ当たって。
つい、俯いてしまう顔を上げて。
ふたりの間で足を前にだせば、満足そうに笑うふたりの気配がした。




「食後は、珈琲紅茶、いかが致しましょうか」



美味しそうなフルーツタルト。
普段なら飛び付くめちゃめちゃ美味しいそれも、今日は全然味なんかわかんなかった。
しかも全部食べたのかそれすらも不明だ。


「ライちゃんは?」
「え」

あ。
え、と。

「あ、の……、あ、じゃ紅、………っ、ひぁっ!?」

や!?
嘘でしょ!?
今?
なんでっ??


「あー、じゃ珈琲3つで」
「かしこまりました」


「…………っ」


これ、座ったままだとお腹にダイレクトに振動が。
しかもこの服、ラインがぴったりとしすぎてて、余計にこれの振動感じちゃうよ。


「…………ッっうぅぅん」


やだ。
どーしようこれ。
無理無理無理。


勝手に足が震えてきた。
お腹の奥までなんか、変な感じ。


「………ッッッ」


咄嗟に掴んだのは、隣に座る双子のどっちか。
暑いし。
苦しいし。
お腹、変だし。
とにかく助けて欲しくて。
これ、止めて欲しくて。


震える手で、彼の袖を掴んだんだ。


「ば、っかお前っ」

キョトン、とあたしへと向けられた視線。
は、すぐに。
必死でその視線にすがり付き、助けを求めるあたしを見た瞬間、驚きに変わった。




「………でるぞ!!」


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