第3章 体の異変
「………何ここ」
ここ、前テレビで見た。
何ヵ月先まで予約うまってる、とか。
けっこうかなりな人気店。
芸能人とかもかなり利用するって。
「無理、やっぱり無理。こんな店無理。マナーとか知らないもん」
しかも絶対この服、あたし似合ってないし。
とかとか、悶々と頭を抱えてれば。
「心配すんなよ」
「貸しきったから、気にせず食べれば」
なんて間の抜けたふたりの解答。
「はぁ?」
思わず叫んじゃったあたしの気持ち、察して頂けると嬉しいです。
だってこの前も。
見たい映画をひとりで見に行こうとしたら、出掛けにふたりに掴まって一緒に映画をみる羽目になったんだけど。
映画館、貸しきったんだよ?
しかも理由が。
「席とんのだりぃ」
とかとか、セレブな理由!!
「美味しく食べて欲しいんだよね、まわりの目とか気にしないでさ」
「…………」
「お前まわり気にしすぎ。それも似合ってるから心配すんな」
「…………」
あたしの、ため?
いや。
いやいや!
でも!!
「…………あんまり余計なお金、使わないで」
先に歩き出したふたりの間へと自分を埋めこみながら小さく呟けば。
驚いたようにあいた間ののち。
「善処する」
そう、頭の上におっきな手のひらが乗った。
「ライちゃんかわいい」
「…………っ」
歩きながら、挨拶みたいにキスするのはさすがに止めてくんないかな。