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愛玩彼女

第3章 体の異変


「…………」


今さら、なんだけど。


「ん?」

「あの、名前、どっちかなって」


なんとなく。
わかってるとは、思うんだけど。


しどろもどろのあたしに、彼は楽しそうに笑って。


「さぁ?どっちでしょう」


触れるくらいの、キスをした。


「どっちだと思う?」
「…………透」
「なんで?」
「話し方?雰囲気?チャラいのが透」


「ライちゃん、もちょっと言い方ね」


ガクーっと項垂れる透は、やっぱり透だ。
怖くない。

「笑った」
「?」
「ライちゃん、笑ったね。かわいい」

「な………っ」

『かわいい』なんてそんなこと、言われたことないし。

「ねぇ、今夜は俺と遊ぼうね?」
「ぇ」
「ライちゃん、めちゃめちゃうまそうな匂いするよ?」

「匂い?」

「うん。甘いの」
「甘い?」
「雄を惹き付ける雌の本能的な?斗真、ライちゃんのこの匂いに充てられて出てったんだよ。情けないなぁ」
「それ、どーゆー」

「こーゆーの」

「え」


ドサッって。
そのまま後ろに肩を押されて倒れれば。
真上には天井、と、透の楽しそうな表情。


「あれだけ抱かれまくったしね、そりゃ強くもなるね。今は?動悸、息切れ、口渇、って感じかな?」

キレイな透の指先が、胸元の心臓をとらえ、首筋へと上がっていく。
最終的にその指先は、口まで辿り着き、そのまま指2本、あたしの口の中へと入れたんだ。

「ね?」


妖しく目を細めて妖艶に口元を緩めると。
彼は指を口の中から引き抜いて。

「そろそろ起きないと、斗真が襲いにくるよ?」

軽くウィンクをしながら。
彼はドアの向こう側へと、消えていったのだ。
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