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愛玩彼女

第3章 体の異変


正直。
けっこう限界、で。
突っ込みところ満載だし、めちゃめちゃあやしいふたりではあるんだけど。
なんとなく悪い人ではないような気もして。


睡魔に襲われた意識では、なんかもういろいろ考えるのも億劫で。
安易になんにも考えずに、そのまま広いベッドに誘われるように、目を閉じたんだ。




だってなんか。
ふたりに抱き締められながら眠りにつくのがすごく、心地よくて。
暖かくて。
なんかもー、どーでもよく、なってくる。












「來」

「ん……」


んー、まぶしい。
まだ、もーちょっと寝かせてよお母さん。
すぐ起きるから。


「誰がおかーさんだボケ」

ん?

「………ぇ」

「起きないならこのまま襲うぞ」

パチリと開いた視界にうつったのは。
片手腕枕で、片手は自分の顔を支えて、の。
寝起き感満載の気怠さ全開な美人。

と。

「おはよー」


ぎゅー、って。
後ろから抱きつく猫みたいな、多分目の前の片割れ。



「…………っ」

「來?」

不思議顔で覗き込んでくる双子の片方、の、半端ない色気に視覚がやられた、のかもしれない。

「きやぁぁぁぁっ!!」


飛び起きた瞬間に走ったおでこへの激痛。
は。
どうやら彼も同じだったようで。
おでこを押さえてうずくまっていた。


「…………あ」


とたんにクリアになった頭は、瞬時に自分のやらかした不祥事を理解する。
だけど。
痛いのあたしも一緒だし。
被害者………な、わけで。


「おま……ふざけんなよまじで」

怒ってます。
やっぱり怒ってます?

「薬!」
「はいっ!!」

機嫌悪そうに指で白い錠剤を口の中へと押し込まれ。

「ライちゃん、こっち」

もう片方が、口移しで水を流し込む。


それをゴクンと飲み干せば。

彼は、さっさと部屋を出ていった。


「朝機嫌悪いのいつもだから、気にすんなよ」


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