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愛玩彼女

第2章 新生活、開始!


楽になりたいのに。


いやだ。
違う。


見ないで。


違う。




「………ふぁぁ….っ」



いやだ。



「ライちゃん、これ好きでしょ」



―――――――っビクンっっっ!!




視界から、とーるの姿が消えた瞬間。
突如襲ったチカチカするほどのしびれに。
一気に体は弓なりに跳ね上がった。



「や、ぁぁぁっっっ!?」



駄目。
力がもう、入らない。



すでに潤いを帯びていたその場所を這う舌に、体は勝手に反応する。
開かされた両足を閉じる力も残ってなんかいなくて。
ただただ。
ひとり快感に悶えるしか出来ない。





喉元を天井へと晒した瞬間。
視界にうつったのは反転したとーまの姿で。




「と……………っま……っ」



なぜそんなことをしたのかなんて全然理解なんて出来ないけど。
なぜだかその時。
とーまに向かって右手を伸ばしてたんだ。
もしかしたら、助けてほしかったのかもしれないし、意味なんてなかったのかも。
見ないで、って、目隠しのつもりだったのかも。

よくわかんないけど。
だけど。



その行為は結果的に、もう一人の彼を、怒らせた。
ううん。
気に障った、のが正しいのかもしれない。



「ねぇ」




低く耳元で囁かれた言葉はものすごく、低い声、で。


「今キミを気持ちよくしてんの誰だかわかってる?」



冷ややかに見下ろされた瞳に思わず背筋が凍った。


「ぁ………」



「覚えてね?」




肩へと触れる唇の感触。
穏やかな口調とは比べ物にならないくらいの冷気を覚えて。
体が震えだした、瞬間。




「………!?ぅ、あああぁぁぁっっっ!」




左肩を押さえつける力強い彼の手。
そして。



血管をぶち破るような、鈍い音。



「―――――――透っ!!」






彼、は。
自分の片割れに引き剥がされるその瞬間まで。


あたしの右肩へと。
思いきり、血管が避けて血が吹き出るくらいに強く、噛みついたのだ。
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