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愛玩彼女

第19章 番外編 映画鑑賞はお静かに


結局。
この笑顔に弱い。
それが惚れた弱みってやつなら、それはもう仕方ない。




それからご飯、食べて。
3人でボーリング、して。
ゲームセンター、行って。
カラオケ行って。
どこに行っても目立つふたりの隣は、常に注目されてるみたいで。
恥ずかしさ、半分。
優越感、半分。





「遊んだー!!」


気付けばすでにあたりは真っ暗。
どっぷりと日が沈んでる時間だ。



「機嫌なおったみてーだな」


まわってないお寿司屋さんで美味しいお寿司をいっぱい食べて。
お腹も満腹。
身体もちょうどいい疲労感。
締めにこんなに綺麗な夜景連れてきてもらえて。
嬉しくないわけがない。


だけど。



「ライちゃん?」



楽しかった。
今日1日すっごく楽しかった。
だけど考えずにはいられないの。
可愛くないってちゃんと自覚してる。
こんなに楽しい1日くれたのに、なんでこんなこと思っちゃうのか、自分でも不思議なんだけど。
勝手に芽生える、醜い感情(気持ち)。



「…………いつも女の子にこんな風にしてるの?」
「え」
「何言ってんだ?おまえ」
「モテるもんね、ふたり。こんな綺麗な夜景、連れてきたのあたしで何人目?」

駄目だ止まらない。
子供じみてる、ってわかってる。
わかってるけど。


「おまえ映画でも言ってたな」


斗真の手のひらが、髪に触れる。


「何に嫉妬してるのかわからないけど、女の子をここに連れてきたことはないよ」


透の指先が、涙を拭う。


「嘘…………」

信じない。
そんなの。


「まぁ別に、信じる信じないはおまえに任せるよ」
「ここね、俺たちの母親の好きな場所」


「え」


「まぁ、愛人なんてやってるとさ、いろいろあったんだよ昔は」
「その度に俺たち連れてここ来てた」
「冬とか極寒!!なのに何時間も」
「なー!!あれマジ地獄」


ふたりの。
お母さんの好きな場所?
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