第19章 番外編　映画鑑賞はお静かに

「ふ、ん、ぅんんん……っ」




透の、キス。
いつもなんにも考えらんなくなっちゃう。
甘くて。
気持ち、よくて。
ちゅ、ちゅ、て。
わざと音を立てながら懐柔し、吸い付いてくる。





ああほんと。
だめだ、これ。
力、入らない………。







「………來」


「その顔」



「？」



「その顔、好きなんだ俺たち」
「か、お？」
「気持ちよくて、トロトロになってるライちゃんの顔。それと」
「気持ちいいくせに必死に我慢してるお前の顔」




「は？………っぇ」




ぐい、って。
今度は顎を持たれて後ろにいた斗真と、唇がくっつく。



狭いトイレの中。
後ろには斗真。
正直には透が、いて。
身動き出来ない。




なのに。


なのに透ってば、器用に服、めくりあげて。
胸のすでに尖った先端に、吸い付くし。
指先は、湿った下着の中。



「ん……っ、ふ、ぅぅ━…っ」



斗真は全然、唇も顎も離してくれないし。




なんでこの狭い中で。
この人たちはこんなに器用に動けるの？





「〰️〰️〰️〰️ッッ」




一気に。
２本、指先が奥まで侵入すれば。
体は勝手にビクン、と大袈裟に跳ね上がる。



「………気持ちいい？」

「………っ」



「素直じゃねーの」




跳ねた瞬間離された唇。
短く息を吐くあたしに、透が見上げるように射ぬく。
トイレのドアに両手をついて、必死で足に力を入れていれば。
後ろから、斗真が首筋に唇を寄せた。




もぉ………っ
足、力入らない。
ぐちゃぐちゃとなかを２本の指が暴れまわって。
的確に気持ちいいところばっか責められたら………。



も……。



「や………っ、だ……ぁ」



駄目。
限界。


「………ふ……ぅぅ」



━━━━━━くる！！



だけど。

目の前で閃光がはじけそうになった、瞬間。




「…………わかったよ」



突然。
ふたりはあたしの身体から、離れた。



「ぇ………」