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愛玩彼女

第19章 番外編 映画鑑賞はお静かに


「ご、ごめんライちゃん、あ、手?手、痛かった?」


パ、と急に取れた拘束。
あわてて服とスカートを直した。



「………何も泣くことねーじゃん」
「斗真、謝って。これライちゃん、マジなやつだって」
「ええ?」



めんどくさそうにあたしへと視線を向ける斗真を、きつく睨む。
ついでに涙のオプション付き。
斗真、泣き顔弱いの知ってんだから。
案の定。
少したじろぎながらも。
斗真は素直に謝った。




けど。




こんなことじゃ許さないんだから。










「來ー、おーい來ちゃーん」
「ライちゃん、ひーめ」



映画が終了して、の。
映画館の外。
あたしはかなり早足をして、これでも精一杯の早足をして。
ふたりの前を、歩いてる。



「機嫌直せって」
「ごめんね、悪かったよ。やり過ぎたよね?」


当たり前だ!


「なー、そんな怒ることねーじゃん」





怒る。
怒るよ。
せっかくのデートが、台無しだもん。




「そんなに映画見たいなら、次のも一回見る?もうなんにもしないからさ」
「…………」
「來、頼むから機嫌直せって。そんなに嫌だった?」


「…………」



ピタリと、足を止める。



「ライちゃん?」





「………ねぇ」
「ん?」


「体の相性が良ければ、あたしじゃなくても良かった?」





「は?」






エッチなこと出来れば。
受け入れてくれる女の子がいたら。
あたしじゃなくても良かった?




「………マジで言ってんなら本気で怒るぞ」


「ぇ」





ぐい、って。
右手を引かれて。
連れて来られたのは映画館の、トイレの中。




「ちょっと、なに………」





後ろから斗真の足が、両足の間へと入り込み。
抱き締められるように、腕がお腹のあたりで交差された。



「ん……っ!?」



肩へと噛み付くように吸い付く斗真と、正面からは、透が唇を、重ねてきて。
すぐさまぬるっとした舌が、侵入してくる。
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