第2章 新生活、開始!
「ぇ…………っ、わ」
彼等の座っているソファーの真ん中へと。
ふたりの彼に両腕を引かれて、そのままストンと、間へと座る形で引き寄せられたのだ。
「ぇ」
「制服、かわいいね」
「ぇ、と、あの」
「お前、高校生だったんだな」
「高校生だとは思わなかったなぁ。飲み会の場にいるしさ」
「………っ」
両方の耳を、同じように彼等の舌が、這う。
水音が、ダイレクトに耳を犯していく。
何、これ。
こんなことで、なんで。
あたし………。
「………っ、なんで……っ、うちのガッコ!わかったの?」
勝手にあがっていく体温を隠したくて。
思ったよりも大きくなってしまった声に、今度は羞恥心で顔がさらに赤くなった気がする。
「ああ、うん。ごめん。学生証、勝手に抜き取ってみた」
全部見透かしたからかうような笑顔を贅沢にも惜しみ無く晒しながら、彼が出したのは確かにあたしの学生証。
「なんで………っ?」
「財布に入ってたよ。駄目じゃん、飲み会に学生証持参なんかしちゃ」
反射的に向き直った彼、とーるから学生証を取り返せば。
悪びれもなく、さらに瞳を細くする。
ってか。
勝手に人の財布あさるほうが駄目、なんじゃ……。
「…………っひゃ!?」
不意に肩まである髪がかきあげられて。
現れた首筋に触れたのは、暖かい、舌、の、感触。
思わず漏れた声を咄嗟に両手で塞ぐ。
「大丈夫だよ。隣には聞こえないって」
「透、そのまま押さえてて」
「え」
「お前無駄に抵抗するし」
「無駄……って、……ぇ、やっ!?」
口元へと持っていった両手を、手首からやんわりと離されれば。
そのまま後ろから、とーまの唇が首筋に強く吸い付いた。