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愛玩彼女

第19章 番外編 映画鑑賞はお静かに





『生憎ガキに手出すほど不自由してねーから。悪いな』



ストーリーは。
よくある少女マンガの映画化で。
女子高生と教師の、恋物語。
親に見向きもされない主人公は、暖かいシャワーと、暖かいベッドのためだけに毎日体を対価にそれらを得るため過ごしてる。
それを見つけたのが、煌くん演じる新任教師。
暖かいシャワーと、暖かいベッド。
それらを無償で、提供する。
口は悪いけど優しくて。
だけどなんだか、恋愛にトラウマ抱えてて。
主人公に惹かれてくけど、うまくいかなくて。
なんて、良くありそうな王道ラブストーリーだ。



「………ねむ」


隣で斗真が生欠伸、ひとつ。
わかってるよ。
斗真が興味ないのくらいは。
だけど仮にも誘ったの斗真なんだから、興味あるふりくらいしたって良くない?

「昨日斗真徹夜だったんだよ、許してやって」
「そうなの?」
「うん、資料のまとめが終わんなくて」
「透は、徹夜しなくて良かったの?」
「俺?徹夜なんて肌に悪いじゃん。怠いし。斗真いれば十分だし、帰ったよ」
「…………そう、なんだ」

悪びれもなく言っちゃうあたり、清々しくて逆にいいわ。




「………っ?」



とー、ま?



太腿へと伸びてきた斗真の左手。
びっくりして斗真を伺い見るけど、すやすやと夢の中。
なんだ、寝ぼけてるだけ。
伸びてきた斗真の左手を、右手で掴んで斗真の椅子へと、戻した。


けど。


「…………っ」



また、太腿へと伸びる斗真の左手。
今度は指先が、スカートの中へと侵入する。
だけどやっぱり。
あたしの肩へと頭を寄りかからせながらすやすやと気持ちよさそうに夢の中。


「…………んっ」


さっきと同じように戻そうとするけど、寝てるせいか全然動かない。
しかもさっきから。
肩のところで動くから。
時々耳に寝息かかるし、首に唇あたるし。
な、なんかなんか。
なにこれ!?
斗真の指先やら頭の位置やら。
気になってなんかいきなり映画どころじゃないんだけと。


「………ふ、……っん」



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