第17章 エンディングのその後は
それが、全てだったのに。
恥ずかしがってる場合じゃないじゃん。
あとどのくらい、この幸せ(時間)が続くともわからないのに。
だいたい。
あたしの好きになった彼等が、規模でお店選ぶなんてあり得ない。
彼等が知ってるのが高級なお店なだけ。
だったらあたしが知ってる美味しくて安いお店をどんどん教えて上げればいいんだ。
きっと……絶対。
ふたりなら美味しいって食べてくれるはずだよ。
「やっぱりふたりは、カッコいい」
「は?今さら」
「うん、カッコいいよ。大好き」
「どーしたの?ライちゃん?」
「………大好きだから。そばにいたい。少しでも長く。一秒でも、長く」
「?お前死ぬの?」
「は?」
「一秒どころか、ずっと離すつもりないよ?ライちゃんが今不治の病で余命僅かとなら、教えてほしいな」
「ま、待って待って!!不治の病でもないし、死ぬ予定もないよ!?」
「あ、そ。なら良かった」
「ね」
「……」
あ、あれ?
「で?しおらしい告白は嬉しいけど、なんなわけ、少しでも長くとかなんとか」
「ぇ、だって」
「離れたいの?そばにいたいの?」
「ぇ、ぇ」
あ、れ?
「そばに、いたいです」
「なら何の問題もねーじゃん」
「離れたいなんて言ってたら、今すぐ監禁してたかもね」
「……お前がゆーとシャレになんねんだよ」
「やだなぁ、冗談だよ」
「早く食えよ。行きたいとこ出来た」
「ほんとほんと」
「??どこ行くの」
頭にはてなをいくつも背負いながらそう、問えば。
ふたりはあたしと、残りのハンバーグを交互にみながら。
見事にハモるのだ。
「「ラブホ」」