第17章 エンディングのその後は
「ち、ちょっと待って!!」
「「?」」
危ない。
かんっぜんに流されたよ?今。
肩でゼーハーしてるあたしとは対照的に、おもいっきりはてなを浮かべちゃってるこの双子。
『何』とでもいいたげな瞳が4つ、射抜く。
「…………っ」
駄目だこれ。
勝てる自信、ないかも。
さかのぼることほんの、30分前。
てきぱきと夕食の、あたしが焦がしたハンバーグやらサラダやら、スープやらが並べられていく中。
『あとはやるから座ってて』
なんて言われちゃったら、さ。
あまりにもてきぱきふたり息ぴったりに動くもんだから。
邪魔かなー、とかとか。
思っておとなしくソファーへと避難するしかないじゃない?
サラダもスープも、もちろん作ったのあたしだけど。
だけど盛り付けにしても、お皿のチョイスにしても。
運ばれてくるテーブルでさえ、明らかにあたしがやるよりもキレイで上品で。
食欲を引き立てている。
これが貧困の差とかゆーやつなのかな、なんて。
なんかすごく憂鬱な気分が勝手についてきちゃったもんだから。
勝手にため息ひとりごちて。
特別興味のないテレビを、リモコン片手にピ、ピ、ピ、やっていたんだ。
「何?拗ねた?」
「は?」
いくら局番を回してみたところで、やっぱり興味のある番組がやってるわけでもなく。
適当にリモコン片手に暇を潰していれ、は。
右側にはいつの間にか斗真が座っていた。
「ひとりにされて、寂しかった?」
「はぁ?」
ぼふん、て。
わざとらしく左側へと腰掛けたのは、いわずもがな、透だ。
「……意味わかんないし。お腹すいた。ご飯食べよ」
テレビから聞こえてくるニュースの内容にもさほど惹かれるものもなく。
テレビの電源をオフにして立ち上がろうとすれ、ば。
「ぅわ……っ、何っ」
両側から腕を引かれ、再度ソファーへとおしりからおもいっきりダイブした。