第17章 エンディングのその後は
「いいの?みんなと一緒にいなくて」
「邪魔だからって雷斗に追い出された」
「はは……っ、そりゃ、御愁傷様」
明日、雷斗たち実家に行くって。最後ぐらい水入らずしてくれば。
そう、促されて入った隣の玄関。
『お姉ちゃん!』て喜んでくれる小さな天使たちと反対に。
「今さらいてもらっても邪魔なだけだし。帰れば」
冷たくいい放ったのは、さっき確かあたしが初恋だったとかわいらしいことを口にした張本人のはず。
「………それで、ペットはペットらしくご飯でも作ってたわけ?」
「……ふつう、ペットにエサあげんのは飼い主の役目だよ、斗真」
「あ、そっか、悪ぃ、エサ買って来てねーわ」
「頭わるすぎでしょ斗真」
和やかに双子漫才よろしく、楽しそうに笑い合うふたりに暫し呆然。
仲良いなぁ……とか思って見惚れてたのも、少しある。
「ライちゃん、なんかプツプツ言ってるよ?大丈夫?」
「ぇ、っあーっ!!」
ハンバーグが……。
煮込みハンバーグ、しようと思ってたのに煮込みが焦げた。
「まぁ、メイン無事だし平気だろ」
「だね、ん、美味しい」
やっぱり呆然とするあたしの横で、てきぱきと夕食の支度をしてくれちゃうのは、どうやら彼氏ではなくご主人さまだったようです。