第17章 エンディングのその後は
ぇ、え、っと。
父親、わからないって。
雷斗、知ってたの?
て、ゆーか、あ、あれ?
なんか急に大人びちゃってない?
この子。
「跡取り引き受けたら、ふたりも一緒に連れてっていいって言ってたし」
「引き受けなくても大丈夫だよ!そんな条件のまなくても、天(そら)たちも連れてってくれるよ?あの二人ならそれくらい……」
「うん、知ってる」
「……なん、で?」
「条件つけないとさ、俺に跡取り譲れないじゃん」
「らい、と」
「大丈夫だよ、やってみせるから」
「………」
「姉ちゃんはさ、あのふたりに愛されて、どっぷりと溺れてたらいいよ。姉ちゃんは、俺の初恋だから」
「ぇ」
「いつも頑張ってる姉ちゃん、すっげーキレイだった。俺が絶対守ってやるって、そー思った。だからさ、守らせてよ、やっと姉ちゃん守ってやれる力、もらったんだから。無駄にさせないでよ」
いつからこんなに逞しくなったんだっけ。
いつからこんなに、男の顔、するようになったんだっけ。
パパが、代わって。
天が生まれて。
また代わってみかが生まれて。
疎外感を感じる度に雷斗が手を握ってくれた。
心細さを感じてるのはあたしだけじゃないんだって。
強くならなきゃって。
そう思って小さな掌を握り返した。
だけど違ったんだ。
『大丈夫だよ』
だったんだね、あれはいつも。
雷斗は小さな頃からずっと、あたしを支えてくれてたんだね。
「休みの日には、会いに行くね」
「いいの?彼氏の実家だけど」
う……。
「雷斗、の姉としていくのよ」
「はは……っ、待ってる」
「うん」