第13章 アイスキャンディ
…………って。
いいわけ、ねーし!!
ガバッと飛び起きれば窓の外は少しだけ薄暗い。
夕方??
嘘でしょ。
どんだけ寝てた?
あたしっ。
しかも裸とか。
いくら空調きいてるとはいえさ、この真冬に裸は絶対風邪ひくでしょ、普通。
とりあえず散らばってる下着やらシャツやらを拾い集めてリビングへと向かえば。
珍しく誰もいない。
よし。
抜け出すなら今しかない。
玄関へとたどり着き、靴を履こうとしたところで。
気付いた。
靴、ないじゃんっ。
……この際別に靴なくても。
うん。
靴下履いてるし、たぶん大丈夫。
1人コクンと頷きドアに手を掛ければ。
「何してんだよ、不審者」
後ろから聞こえたドスの効いた低い声に体がビクン、と跳ね上がった。
「ふ、不審者って、誰がよ」
「真冬にコートも着ないで靴も履かずに外うろつくやつなんてどー見たって不審者だろ」
「……うろついてないもん」
「そんな薄着で夕方のこの時間うろついてみろ、襲って下さいって張り紙するより襲われるぞ」
「………っ」
それは……。
想像しただけで血の気が引く。
「ならちゃんと外出してよ!!これじゃ監禁だからね!」
あれから。
パパに会った日から3日間。
学校は愚か、外にすら出してもらえてない。
騒ぎ立てれば意識がなくなるまで抱き潰されて、眠って。
そんなことを72時間も繰り返されれば、人間さすがにおかしくなるものだ。
「どーせ犯罪者だし、罪がいっこ増えたところで全然構わねーよ」