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愛玩彼女

第13章 アイスキャンディ


両方の肘だけを支えに頭だけを起こした状態での深い口付けはさすがに体勢的にもきつくて。
だけどそれは、高い身長をあたしに合わせて屈ませた斗真自身も同じようで、すぐに唇は離れて行った。


だけど。
斗真の目的はこんなキスなんかじゃなかったんだ。



「没収な」



勝ち誇った顔でひらひらと左手に持ってるもの。
あたしの携帯っ!


「嘘っ」

いつの間に。

って、さっきしかないじゃん。


「ずるいっ」
「気持ち良さそうに絡めて来たじゃん、舌」
「……っ」

「当分なしな、プライバシー」


「はぁ?」



「起きれるようになったらリビング来いよ、透がランチ作ったって」


「ちょっと、斗真……っ」




冗談でしょ。
ホントに持ってっちゃった。
あたしの携帯。



何考えてんのーっ!?






ボフン、て。
やたらとふわふわとした枕へと再度頭ごと突っ込んだ。











「ライちゃん……?」



「ん……」


「あはは、なんだ、また寝ちゃったんだ」
「とー、る?」

「うん、お粥食べる?」
「お粥?」


「そう、斗真が、ライちゃん熱あるみたいだからって」
「ぇ」


ね、熱?
熱あるの?あたし。
ぃやでもあたし熱測ったっけ?


ぼー、としながらも視界に入ってきた時計を見れば。
1時半。
さっき確か、斗真入ってきたのお昼頃。
枕に突っ伏したまま、また寝ちゃったんだ。
やば。


「……大丈夫?」
「だい、じょぶ」
「斗真にスマホ取られたって?」
「………あいつ、悪魔すぎ」


あははー、なんて笑いながら。
よいしょ、なんてかけ声までかけてくれちゃって。
透はベッドの上で、あたしを自分に寄りかかるように上半身だけを起こしてくれた。
あたしはすっぽり、透の足の中。


「な、何?」
「お粥、食べるでしょ?」
「ぃや、なんでこんな、抱っこ?」
「まだ起きるの辛いと思って。寄りかかっていいよ?はい、あーん」


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