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愛玩彼女

第13章 アイスキャンディ





「………」


だるい。
重い。
頭痛い。



だけど。




否が応でも時間は止まってくれない。
ついでに。
枕の下で震え続ける携帯も、今はただの煩わしいだけの機械と成り果てている。


出なきゃ。


携帯、なってるし。



とか思ってても実際なかなか体力がそこまで追い付くにはまだ時間も足りず。
枕に顔を埋めたまま、とりあえず煩わしく震え続ける携帯を手探りで探した。




「………誰?」




だけど。
それはあたしが探し出すより先に他人の手に渡り、あろうことか躊躇せずに着信ボタンを押したのだ。


「!!」


さすがに目、覚めました。



ガバッと頭だけを起こして斗真を見上げ見れ、ば。
それに気付いた彼はにっこりと微笑みを返してきたんだ。
天使の顔する悪魔の笑顔、だ。


「間違い電話」


たぶん数秒話したか話してないか、斗真に至っては『誰?』しか話してない。
当たり前のように電話を終了すると、ポイっと用済みとなった携帯電話とやらをあたしへと投げ掛けた。


「………」


慌てて着信履歴を確認しても。
そこには予想どーり先ほどの履歴は跡形もなく消えている。


間違い電話、なら。
わざわざ消さなくてもいいのでは?



「何?」
「あたしにもプライバシーあると思うんですけど」
「ねぇよ」

「はぃ?」


「ねーよ、んなもん。俺が間違い電話っつったら間違いなんだよ」


あぁ、前にも聞いたこのセリフ。


「文句あんならこの場でそのスマホぶっ壊す。バッグアップなんてとってねんだろ?一気に連絡先消えるな」
「………悪魔」
「俺のものになるっつったのお前だろ?それくらいの覚悟しとけよ」
「誰かの所有物になったつもりなんてないもん」
「はぁ?」

「『記憶にございません』」


「やっぱお前、むかつく」




起き上がれないあたしへと覆い被さるようにいきなり唇が重ねられて。
当たり前のように後頭部へと回した右手が動きを制限する。
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