第1章 契約成立!?
「━━━━どーゆーことこれっ!?」
ふたりの女性が帰って行くのを見届けた、直後。
美形のふたりを半ば強引に部屋へと押し込んで、鍵までかけた。
「どうって?」
「間に合って良かったじゃん」
「そーゆーこと言ってんじゃなくてっ!!あれ!あの書類、あんな嘘の書類すぐにバレちゃうよ?文書偽造だよ?わかってる?」
「バレねーよ」
「は?」
「本物だもん。裁判所も通してるし」
「……ぇ」
いや、待って。
「だって、そんな簡単なものなの?こう、手続きとか時間かかったりするんじゃ……」
「意外とこんなもんだって」
「使えるもんは親の力だろーがコネクションだろーが使うんだよ」
「………」
何者なの、このふたり。
だって。
その前、に。
あたしたち昨日あったばっかで。
第一こんなことしてもらう義理、ない……。
「ねぇライちゃん」
未だアドレナリンが収集つかないまま、ドクンドクンてなり続ける心臓を抑え俯いていれば。
俯いた先の床に出来た影。
ゆっくりと、顔を上げた。
「弱味につけこんで悪いんだけどさ」
「?」
「お前俺たちに、飼われろよ」
…………………。
「━━━━━は?」
あれ。
聞き間違い、かな。
なんか今、非常に非日常的な言葉が聞こえたような。
「正直ね、俺たちけっこう有名人な人の隠し子ってやつなのよ。だからあんまり悪さ出来ないんだよね」
それとこれ、どー関係があんのかよくわかんない。
「彼女作っても結局どっちか片方、になっちゃうでしょ?」
そりゃそうだ。
いくら双子だって彼女まで共有できないだろ、普通。
「でもさ、共有したいんだよね」
「ぇ」
「ふたりで、共有したいわけ」
なん………。
狂ってんの?
この人。
あー、無理だ。
危ないわ、やっぱりこの人たち。
「あなたたちなら、声かければ誰でも喜んで相手してくれんじゃない?」
「んー、まぁいつもならそーするんだけどねぇ」
「はぁ?」
いつもこんなことやって女の子引っかけてんの?
「毎回毎回だとさ、いつ問題起きるとも限んないし。ライちゃんが俺たちの相手してくれたら、楽だなぁって」