第1章 契約成立!?
「引き取る、……ってそんな簡単な話じゃ…」
突然の来訪者に面食らってる中、さすが警察、警察の女の人だけがいち早く現実へと戻っていた。
「面倒くさいな、はいこれ」
「?」
明らかに面倒くさそうにため息をつくと、どっちかな、双子の片割れが警察の人へと差し出したのは小さな茶封筒。
ここからじゃ中身を確認なんて出来ない。
「ほ、しょうにん……?」
保証人。
………保証人っ!?
ふたりの女性が読み上げた内容に、たぶん驚いたのはあたしも同じだ。
「ね?書類ならちゃんとあるでしょ」
「そんな、でも……」
「ごちゃごちゃうるせーな。よーするに、こいつら兄妹を面倒みる大人がいれば文句ねんだろ?」
「………」
「ずっと探してたんだよ、この子達。間に合って良かった」
「今日からウチにつれてく。それで問題ねーだろ?」
ある、よね?
そんな簡単に保証人になんかなれるわけないし、第一警察に嘘の書類なんて見せちゃっていいわけない。
文書偽造、とかなんとか。
あ、れ?
なんか。
なんで?
なんでこの人たち、そこまですんの?
考えたいのに。
考えなきゃいけないのに。
心臓がドクンドクンして、アドレナリン出まくりで正常な思考が出てこない。
「…━━あなたは?」
「え?」
「あなたは、どーしたいの?」
「あたし?」
「あなたの意思を、尊重します」
「あたし、は……」
ゴクン、と乾いた口内から唾液を飲み込んで。
余裕そうに笑うふたりへと視線を向けながら。
「あたしは………」
はっきりと。
児童相談所、と、警察の人へと向かって、言葉を繋げた。