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愛玩彼女

第10章 すれ違い


壊れて、溺れて。
快楽の波になんて、逆らえない。
逆らう方法なんてはじめから教えられてすらいないんだから。
教え込まれたのはこれだけ。
さんざん抱かれて。
体ごと、思考までも慣らされて。
脳の奥の奥まで、彼等によってどろどろに溶かされた。


この、感覚だけ。


だから。




「……ぁんっ、ァッッ、っああ……っ」



「気持ちいい?ライちゃん」


「……っぃ、気持ち、い…っ、ひぁあっっ」



優しく、撫でるだけだった指先が押し付けるようにぐいぐいと円を描けば。
自分からさらに押し付けるように勝手に動き出す腰。
こうなればもう。
ただただ、押し寄せる波にのまれて、溺れて。
流されるだけでいい。
それだけで、何にも考えることなんてなくなるから。


「やぁ、だめ…ぇ、膝、無理…ぃ」
「もうちょっと頑張って、ほら、しっかり立って」
「だめむり、ちから、はいんな…っ」
「じゃぁ、やめよーか」

ずるりと、今の今まであたっていた気持ちいい場所から抜け落ちる、感覚。

「…っ!!やだぁっ」

咄嗟になんとか、倒れ込みそうになる体を立て直す。

「できるじゃん。ご褒美あげる」

「ひぅ…ッッ」



「すご、はやーい」



奥を力強く一突きされた瞬間。
一気に仰け反った体は一瞬にしてくたりと脱力した。


「ひとりで気持ちよくなってちゃだめでしょ、ほら、ライちゃん」
「ぃや、まっ……っ、今…」
「聞こえないなぁ」
「ひ…っ、やぁ…っ、だめ、いやぁっ」
「だめじゃないって、ば!!」

足がもう、限界。
これ以上立ってられなくて、ずるずるとピカピカの床へと倒れこめば、透も追って、膝を折る。
そのまま何度も何度も、同じ場所を目掛けて突き上げるのだ。


「……ぁあんっ、ぁんっ」


「声、いいの?」


「むり、でちゃうも…っ」

「ほんと、かわいーよねー。じゃぁ、塞いでてあげる」



指先が2本、口の中へと押し込まれれば。
その指先もまた、口の中を気持ちよく刺激していく。


ただただひたすらに。
獣のようにその快感を、貪り尽くした。


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