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愛玩彼女

第1章 契約成立!?







「――――――で、さぁ」
「なんでそんなに必要なの、金」

「え?」

「なんでそんなに必死で、体売ってまで必要なの」
「体売ってなんて……っ」
「違うの?」



売ってない!

否定できないとこが、悔しすぎる。
現にあたしの右手に握られてるお札は、ずっしりと重い10万なわけ、だし。

「関係ない。これありがとう」


そのままバックへと大金を押し込み、スニーカーを履いた両足を立たせようとすれば。
カクン、と左膝に力が入らずそのまま玄関へと崩れ落ちた。

「だから無理だって帰るの」
「初めてのくせにお前、何時間したと思ってんの」

いや。
そこ慈悲心だすなら何時間もしないでほしかったわ。

「駄目。弟たちだけになっちゃう。何かあったら困るの」

すでにもう、とっくに日付は変わってる。
バイトで遅くなるのはいつものことだし、もう寝てるだろーけど。
ただでさえ今、ご近所さんの目がいろいろうるさいんだから。

「訳あり?」
「だから、ないってば」
「もう終電ないよ?」
「歩いて帰る」
「こんな真夜中に?お前今、ヤッた後だって自覚ある?」
「はぁ?」

何いってんの、この人。

「ライちゃんから、甘い匂いプンプンするってこと。発情期の犬みたい」
「な……っ」

仮にも女の子、発情期の犬扱いする?

「危険だっつってんの」

「意味わかんないし。もうとにかく、さよなら!」

再度ドアノブへと手をかけようとしたあたしの体は、何故かいきなり宙に浮いた。

「ぇ………」

「黙ってろ、送ってく」

見れば。
簡単にとーまの肩へと担がれたような状態で。
隣では涼しい顔してとーるが靴をトントンと軽やかに馴染ませているところ、で。

「近所迷惑だから、静かにね?」

あたしの視線に気付くと。
とーるはにこりと、人差し指を口元へと持っていった。
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