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愛玩彼女

第8章 『お仕置き』






『俺、も、斗真のこと好きなんだよね』


『も』って何??
いやいや、突っ込みそこじゃないんだけど。
だけどどこをどう突っ込めばいいのかもよくわかんなくて。
むしろそこは突っ込んでいいのか?的な。
かなりの大前提に、あれはもしかしたら聞き間違い、とかゆーオチもあるわけで。
うーん。
なんとも目覚めの悪い朝を迎えた午前6時。
ベッドに正座しながら悶々とすることたぶん数十分。
疑問はいつの間にか沸々と沸き上がる怒りへと変換されたのだ。




よく考えたらあたし、めっちゃ被害者じゃん!?
合意もなしに変な薬を飲ませるのは犯罪だし、そのせいであたし、中学からずっと一緒だった友人との友情まで無くして。しかもなんかとんでもないこと言われた気もするし。
だいたい、悪いのはあの双子なわけで。
たぶんあたし、1ミリも悪いことはしてないはずなのに、昨日のあの仕打ちは一体感何っ!?
うん。
これはもう、さすがにキレたわ來さん。







…………ってな、わけで。




午前7時。
悪魔な双子王子の起床時間である。




「あれー?今日早いねライちゃん」
「おはよう、透」
「しかもなんかご機嫌だね?」
「……はよ。飯、あんの?」
「おはよう、斗真」


にっこりと微笑みつつも、目の前のカウンターへと先ほど料理した朝食たちを並べていく。


「うわー、美味しそう」
「………」


低血圧の斗真は無反応ではあっても、黙って席につくあたり、気に入ってくれたようではあるみたい。


「ねぇねぇライちゃん」
「ん?」
「俺にも今度あれやってよ」
「?」


「『いっぱい、犯して』ってやつ」



ガチャン、て。
味噌汁を掬っていたはずのお玉がいつの間にか手から抜け落ちている。


「な、な、……っに、はぁ?」


「だってめっちゃかわいかったもん。斗真に仕込まれたの?」
「さぁ」
「あれやって、ね?約束」

無邪気に尻尾フリフリ身を乗り出してくる透に、やばい、あいた口がふさがらない。


「お前じゃ無理だ、止めとけよ透」

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