第1章 契約成立!?
肩を揺らして短く呼吸するあたしを、その胸に凭れかけたせたままに。
とーまは静かに見下ろして。
「その感覚、忘れんなよ?」
「は、え?」
「言ったろ、慣れろ、って」
力なく見上げて見れば。
無表情にもその口元は妖艶に弧を描いた。
のを。
頭が認識した瞬間、なんとも言えない悪寒が背筋を凍らせた。
「………っ」
嫌な予感、的中。
こんなの、まだまだ全然終わりなんかじゃなかったんだ。
本能が危険を察知するよりも早く。
彼は後ろから。
その熱い塊をあたしに突き刺したんだから。
「――――――---っ!!」
途端に仰け反る背中。
に、合わせて。
彼は、とーまは後ろから覆い被さるようにあたしの唇に自分の唇を重ねた。
「…は……っ、あ、やめ……っ、も、ん、ああぁっ」
「ああ、これ?」
「それめっちゃ締まる」
「違……っ、やあぁぁぁ、んっ」
後ろから抱き締めるように打ち付けられる熱いもの。
ソファーへと座り込みながら、右足が大きく開かされれば。
秘部を這うのは『彼』の、熱い舌。
「すっげ、絡み付く」
「へぇ?」
つい数時間前まで知らなかった感覚。
自分には程遠いものだって、思ってた。
『自分を大事にしてね』
ママはそう、言い残して。
未だずっと、眠り続けている。
だからその約束だけは守ろう、って。
ずっとずっと、思ってた。
「やめ……っ、それ、吸うの、やだぁ……っ」
手っ取り早くお金を稼ぐ方法だとしても。
自分だけは、売らないように、って。
「だめ、おねが……っ、うごかない、でぇ……っ」
でも。
だけど。
「も、だめぇ―――――――---っ」
後ろから抱き締める彼の腕にすがり付くように、身体中に力が入った瞬間。
一際大きく奥を抉られ、秘部を這う舌は剥き出しにされたその場所に、生き物のように思い切り強く吸い付いた。