第7章 崩れた関係性
「腫れてるね」
「えっ」
確かに心なしかさっきしみた。
「………これでも塗っとけ」
「?」
「ステロイド。塗っとけば間違いないから」
「ありがとう」
「飯ないなら先行くな」
「?」
なんで?
なんか、不機嫌だよね、斗真。
「大丈夫だよ、朝はいつもあんなもんだから」
「?」
「はい、一応、ガーゼ巻いて絆創膏しといたから」
「ありがとう」
「どーいたしまして」
「透」
「ん?」
薬箱をしまいに背中を向ける彼に呼び掛ければ。
肩越しに透が振り返る。
「あ、ぇと、ありがとう」
「それ、さっきも聞いたよ?」
「あ!そっか」
「ライちゃん」
「うん?」
「『気をつけて』ね?」
なにやら意味深に笑う透にキョトンと首を傾げるけど。
そのまま透は薬箱ごと消えてった。
火傷、のことでもいってんのかなぁ。
「………」
魚。
もったいない……。
はぁ。
『ペットだろ』
だよね。
はじめからそうだった、確か。
第一、ショック受けてるみたいに感じちゃう自分が、無理っ。
ない。
ないない、ないから。
なんでショック受けてんだって話。
「あたしも、ガッコ行こ」