第9章 絶滅危惧種系彼女。
「おい!待たせたなぁ!」
私が颯爽と登場すると、
その人影はこちらを向いた。
「あ。如月!ちーっす。」
…。
…。
…。
面影はあるが見慣れない姿の奴がいた。
「…森田?」
「おう。そうだ。わりぃな呼び出して。」
「おま、お前。なんだその格好は?」
森田は以前のヤンキーファッションから一変し、
女の子らしいフリフリの洋服を着ていた。
「わりぃな。実は男が出来たんだ。んで、もうこういうのも辞めようとおもってな。お前、一応ライバルだったし報告しとこうと思って…」
そう言って森田ははにかみながら、
ひょろそうな男を私に紹介した。
「お、おう。そうか…お幸せにな。」
私がそういうと、森田は幸せそうに笑った。
「おい、如月、お前もそんな事ばっかやってねぇでいい男見つけろよ!じゃ!」
そう言って森田は去って行った。
「…お、おう…。」
ピューっと虚しい風が私の前を吹きぬけた。
私は溜息をつき、
川原を登っていく。
「なんだ。もう終わったのか。」
ふと、話しかけられ振り返ると、
緑間がおしるこを飲みながらこちらを見ていた。
「あぁ。終わったよ。」
「…はぁ。」
私が溜息をつくと、
緑間はじっと私を見つめた。
「んだよ。」
良く見ると
緑間ってカッコイイな…なんて思ってしまった自分に腹が立った。
「…如月。」
緑間の顔が私に近づく。
「え?あ?…なっ!何だよっ!」