第9章 絶滅危惧種系彼女。
「離してもいいのだが、逃げないと約束して欲しいのだよ。ちょっと疲れたのだよ。」
そう言って緑間は溜息をついた。
「逃げねぇよ!だから、とっとと離せ!」
私がそういうと、
緑間は私を解放した。
緑間は私をじっと見つめる。
「あ?んだよ。やんのか?」
私が睨みつけるようにそういうと、
緑間は満足気に笑った。
「今やほとんど見ないスケバン!これぞまさに絶滅危惧種なのだよ!」
「てめぇ、さっきから何なんだよ。」
「あぁ、すまない。実は今日の蟹座のラッキーアイテムが絶滅危惧種だったのだよ。」
「…おう。で?」
「ラッキーアイテムが見つからなくて困っていたのだよ。そしたら君が現れたのだよ。これはきっと運命なのだよ!だから、今日一日一緒に居て欲しいのだよ!」
そういうと、緑間は私の手を握った。
「はぁ?今日は今から西高の森田とタイマンはるんだよ!だから…」
「わかったのだよ。仕方ないから同行してやるのだよ。」
そういって、緑間は仕方ないと言わんばかりに溜息をついた。
「はぁ?いや、勘違いされんだろ!来んなよ!」
「そういうわけには行かないのだよ!君は俺のラッキーアイテムなのだから!」
それから暫く言い合いをしたが、
らちが明かず、
私は仕方なく、緑間をつれて決闘の場所である川原へと足を運んだ。
既に、その川原には人影があった。
「てめぇはその辺で見てろ。すぐに片付けてくる。」
私がそういうと、
緑間は黙って川原の端に座り込み、
読書を始めた。