第9章 絶滅危惧種系彼女。
「高尾!!!見つけたのだよ!!!!絶滅危惧種!!!!」
男は嬉しそうに私を指差し笑う。
「ん~?絶滅危惧種がこんな所にいるわけな…ぶっは!!!!」
緑色の頭の男の後ろに居た男がひょっこり顔をだし、
私を見て再び笑う。
「あ?んだよてめぇら!?」
精一杯の威嚇を込めて睨みつける。
あ、こいつ、同じクラスのバスケ部のやつだ。
たしか名前は…
緑間と高尾だったっけか。
私がそんな事を考えていると
緑間は私の手をガシっと掴んだ。
「頼む!今日一日…俺と一緒に居て欲しいのだよ!」
…
…
…
「はぁ!?わけわかんねぇし!!!」
私はそう叫ぶと、
その手を振り払い、教室を飛び出した。
「あ!待つのだよ!ラッキーアイテム!!!!」
そう叫びながら、
緑間も私の後を追う。
「あ!?ちょ…追いかけてくんな!!!!」
私は全速力で走る。
が、
この男…
かなり足が速い。
「は、はえぇぇぇ!!!!」
私は顔面を青くしながら全速力で走る。
が、ロングスカートが邪魔で
上手く走れない。
「っと!!!」
スカートの裾に足をとられ、
転倒しかけたその時だった。
"ガシ"
後ろから腕がのびてきて、
私を包み込む。
「ふぅ。やっと捕まえたのだよ…。」
「ってめ!はな…////」
相手を押し飛ばそうと、
振り返るように身をよじらせると、
目の前に緑間の顔があり、
思わずドキっとしてしまった。
…いや!何ドキってしてんだ!
「は、離せ!この変態男!!!!」
私がバタバタしても、
緑間の腕から抜け出す事が出来ない。