第8章 ゆびきりげんまん。
その日、
あいつからは連絡は来なかった。
どうせまた怒ってスネてるんだろう。
また、明日になって
怒りが静まった頃にでも連絡するか…。
俺は部屋でごろごろとしているうちに眠っていた。
"ピンポーン"
不意になるインターホン。
「…っ」
俺は時計を手に取った。
時間は夜の22時。
こんな時間に誰だ。
俺は布団を深くかぶった。
玄関では親と誰かが話している。
階段を駆け上がる音が聞こえたと思ったら、
俺の部屋を誰かが強く叩いた。
俺はドアを開けた。
「うっせぇな…誰だ」
「青峰くん、すぐに病院行かなきゃ…凛ちゃんが…凛ちゃんが…。」
目に涙をためたさつきが俺の腕を引っ張った。
「あ?な、なんだよ!?」
俺の問いも聞かずに、
さつきは俺を引っ張っていく。
「おい!さつき!!!」
俺は腕を振り払い、立ち止まった。
「凛ちゃんがね、事故にあったの。今意識がないんだって。だから…早く…。」
「は?お前…何言ってるんだよ…?」
頭が真っ白になった。
これは何かのドッキリで…
多分きっと…
いつもみたいにあいつがニヤニヤしながら
現れるんだろって…
さつきの演技洒落にならなすぎ…
まじみたいじゃん…。