第7章 ワンコ系男子。
「あの…如月さん。」
「…?」
「…何かあったら…連絡してほしいっス。」
そう言って黄瀬くんは私に
メアドと番号の書いてある紙を渡した。
「あ、ちょっと待ってっス。」
そう言って紙になにやら書き加えた。
名前の欄が
"黄瀬涼子(♀)"
と書き直されていた。
「じゃ、また学校でね。」
そう言って黄瀬くんは帰って行った。
心がなぜかズキズキ痛んだ。
理由はわからない。
何故だか涙が止まらなかった。
私は最低な事をしてしまったんだ。
"彼"を傷つけてしまっていた。
見せかけの友情のために
好きでもないのに持てはやし、
いざこちらへ向いたら
逃げ出す。
最低だな。
最後まで冷たくしてくれれば
…こんな気持ちにならなかったのに…。
胸が苦しくて、
後悔しかなくって…
次の日学校へ行くと、
私の机は廊下の外に出されていた。
「てめぇー、昨日黄瀬くんと帰ってたろ!?」
また女子たちに囲まれる。
「…。」
「なんか言えよブス!!!」
殴りかかってくる様子がスローモーションで見える。