第7章 ワンコ系男子。
次の日、
学校では相変わらず露骨な嫌がらせと
露骨な無視がはじまった。
憂鬱でたまらなかった。
先生から防災週間の資料をまとめるように
資料と巨大な方眼紙とマジックを渡された。
私は黙々と一人でその作業をしていた。
黄瀬くんとは極力関わらないように
席を離した。
黄瀬くんも話しかけては来なかった。
それから毎日同じ状況が続いたが、
でも、そのうち女子たちは私への興味をなくし、
ただ無視するだけになった。
防災週間の資料の期限が明日に迫った頃、
私は放課後まで残り、
一人で仕上げにかかっていた。
時刻は20時を回っていた。
一向に終わりそうにない…。
"ガラ"
「まだ残ってたんスか?」
黄瀬涼太だった。
「…。」
私は無視をしてひたすら手を動かし続ける。
黄瀬くんは私のまとめた資料をじっと眺めた。
「如月さんってバカなんスか?」
「…っな!?」
私は思わず顔を上げた。
「こんなん適当にすればいいのに…こんなに詳しくまとめて、手抜きって知ってるスか?」
「…ほっといてください。」
私は、黄瀬くんから資料を奪い取ると、
再び方眼紙に書き始めた。
「俺、こっちから書くっスね。」
黄瀬くんはマジックで私が下書きした所を書きはじめた。
「…なんで手伝うんですか?同情ですか?」
私がそう言うと、黄瀬くんは笑った。
「いやいや、俺、防災週間委員スから。」
「…。」
なんだかムカついたが無視して書き続けた。