第7章 ワンコ系男子。
そこから芽衣子や取り巻きの女子たちは
私を必要以上に避けるようになった。
私はただ呆然とするしかなかった。
それから憂鬱な一日はあっという間に過ぎ、
帰りのHRの時間にもなっていた。
「今週から防災週間に入る。そのため防災についての資料をまとめてクラス単位で発表掲示してもらわないかん。誰か立候補する奴はおらんか?」
担任は呼びかけた。
だが、誰も手を上げない。
「はいっ!」
隣で大きな声で手が上がる。
みんなが一斉に振り返る。
「先生!俺と如月さんがするっス!」
黄瀬くんが私の手を掴み、持ち上げた。
「え!?ちょ…」
「お!黄瀬と如月だな!頼んだぞぉ!じゃぁ、HR終わるぞぉー!号令!」
担任はすんなり決まった事が嬉しいようで
私の話しも聞かず、HRを終了した。
教室の女子たちがヒソヒソと話していた。
「…あ~ぁ。お友達ごっこも終わりだね?如月さん。」
黄瀬くんは小声でそう言うと、
荷物を持って教室を出て行った。
私は教室の居心地が悪く、
すぐに出て行こうとした。
が、女子たちに取り囲まれた。
「どういう事か話してもらおうか?」
完全に敵を見る目で
私を睨みつけていた。
…。
…。
…。
何を話しても『嘘つき』の一点張りで
わかってもらえず、
私は、殴られたり、蹴られたり、
水をかけられたりした。
その中には
芽衣子も居た。
女子たちから解放されると、
私は教室でただボーッっとしていた。
"ガラ"
誰かが教室に入ってきた。
黄瀬涼太だった。