第1章 無口な彼氏。
「そうじゃなくて…」
私がそう言うと凛之助は思いついたように何かを差し出した。
「ん?これは…私が読みたかった漫画!貸してくれるの!?…って違うわぁぁぁ!!!」
上記のようなやり取りを4~5回はしたであろう。
やっぱりずっと好きとは言ってもらえなかった。
私は諦めた。
「…もういいよ。私、帰るね。」
私はオロオロする凛之助に背を向けて歩きはじめた。
きっと凛之助は優しいから
私の告白を断れなかったんだ…
そうに違いない…
だって、私、可愛くないし、
頭だってよくないし、
性格もちょっと荒いし…
はぁ…。
そんな時だった。
ふと後ろから腕を強くひっぱられた。
「うわぁぁ!!??」