第6章 青春ギター少年。
演奏が終わると、
笠松は『ふぅー』と息を吐き出し、
なんだか、少しすっきりしたような顔をしていた。
「あたし、あんたの事ただの脳筋バスケバカと思ってた。」
「の、脳筋!?///」
笠松は顔を真っ赤にして驚いた。
「けど、なんつーか…うん。意外にいい男かもね!」
私がそう言って笑うと、
笠松は困惑していた。
それから、
ほぼ毎日、笠松は西山と部室に来るようになった。
別に笠松と特別話したりはしなかったが、
いつの間にか私は、
奴のギターの音色と歌声を耳で探していた。
ついに文化祭まであと3日となった。
ほぼ毎日来ていた笠松が今日は来ない。
「おい、西山。」
「ごほっ、あ?なんだ?」
西山は何故か咳き込みながら
私をみた。
「笠松は?」
「あぁ、なんか久々にバスケの練習見てくるって体育館行ったぜ。」
今日はバスケか。
まぁ、あいつはバスケ部だしな。
なんだかちょっと残念な気持ちになった自分が居た。