第5章 私の彼は"変わりもの"?
練習終了前の挨拶が始まった。
私は構えた。
いつの間にか雨が降り出していて、
外は暗くなっていた。
『おつかれっしたぁぁ!』
その掛け声と共に、
私は足を動かした。
そして、彼(ゴリラ)の腕を掴んだ。
「これ!使ってください!!!!!!」
私は汗だくの彼(ゴリラ)に向かってタオルを渡した。
「…え?…わ、ワシか…?」
彼は困惑していた。
何故か周りもシーンとなり、
こちらを見つめている。
…しまった。
私何かを間違えてしまったか?
「あ、あの、私何か変な事しましたか?」
私は彼(ゴリラ)に聞いた。
「あ、いや、すまぬ!わ、ワシこういうのに慣れておらぬでな…!あ、ありがとう!使わせてもらうよ!///」
そう言って彼は私の渡したタオルで汗をぬぐった。
やった!
やった!成功したぞ!
私の心は最高に躍った。
っは!喜んでいる場合ではない!
今ここで!次の手を打っておかないと!
「あ、あの!!!」
私は彼(ゴリラ)をじっと見つめた。
「な、なんじゃ?」
「私とデートしてくださいっ!!!!」
「「えぇぇぇぇぇぇ!!!???」」
何故か体育館中に居る全員が
そう絶叫した。
やはり、ここでデートに誘うのはご法度であったのだろうか。
しまった。
私は少し反省した。